二 億 円
「ふふっ…ふふふっ」
思わず零れた笑み。
ひなたの髪が ひなたの肌が
ひなたの唇が ひなたの体が
全てが愛おしくて
全てが欲しくて堪らない。
「お前は…自分がしていることが分かっているのか?
彌生…お前は、お前のしていることはっ「いい加減にしなさい。あなたは私に飼われている身。
それ以上私に無駄口を叩くようなら、屋敷から追い出しますよ?」」
あなたがいなくても私は生きていけますからね。
まあ、あなたは私に追い出されたら生きていけないでしょうけれど、ね。」
刹那の顔が強張る。
「っ………そうやって、また見逃せと言うのか?彌生、私はっ……!」
何かを言おうとし、唇を噛み締める。
その顔はとても魅惑的で、私の欲情を逆撫でる。
「刹那さん。そんな顔をしてはいけませんよ。私にはひなたがいるのですから。ですが…目覚めるまで時間はあります。少しだけなら可愛がって差し上げますよ?」
所詮、刹那さんは私の飼い猫。
生意気な口をきき、私の邪魔をしても、結局私には逆らえない。
私無しでは生きていけない。
私を求めずには生きていけない体なのですよ、刹那さん。