二 億 円
耳元に感じる生温かい吐息
「あなたを手に入れる為に、大嫌いな父を利用しました。」
両手首を掴まれ、鎖のようなもので縛られた
「会話すらしたくない相手でしたが…あなたを手に入れる為。父に頼み、あなたの両親に金を渡し、契約しました。」
悲しげな表情なんて、いつの間にか消えていた
目の前に映る彌生様はいつもの鬼畜な姿で、妖艶な瞳で私を見つめる
「あなたが欲しい。ただ、それだけ。」
部屋にある棚の引き出しから、折れた口紅を取り出し、慣れた手つきで私の唇を深紅に染める。
「 綺麗 な 綺麗 な
私の お 人 形 さ ん 。」