二 億 円
ひなたの両親と契約をしてからも、私は固定の女と関係を持つことはありませんでした。
正直面倒だったし、何よりひなた以外の女に興味を抱くことが出来なくなっていましたから。
高校を無事卒業し、父の会社を引き継ぐ為に仕方なく都内の有名大学に入学しました。
世の中、【学歴社会】。
私の父も、学歴ばかり気にする大人の一人でした。
大学に入ってからも、固定の女とは関係を持ちませんでした。
言い寄ってくる女は軽くあしらい
しつこく関係をせがむ女には一度だけの快楽を与え
行為の最中も、ひなたのことを考えて興奮していました。
そんなつまらない大学生活を送って三年、
今までに出逢ったことの無いような冷めた目をした女と出逢いました。
外国人を真似て髪を染め、化粧で顔を飾りたて、アクセサリーや煌びやかな洋服で飾る学生たちの中に 溶け込むことなく 浮かび上がる 一人の女。
それが 刹那 でした。