二 億 円





死ぬ か 従う か。


死ぬと言えば、本当に殺されてしまうだろう。


だが、従うを選んだところで監禁され、誰とも会話せず、永遠に縛られたまま。


どちらを選んだにしろ死ぬのと同じだ。





「……従いますよね?ひなた。」



私は無言で頷いた。


「良い子ですね。ですが…一度私に刃向かったことに変わりはない。罰を受けていただきますよ?」




妖しく微笑み、首輪に紐を付ける。犬などに付けるリード。



「来なさい。」




グイッ、と無理矢理紐を引っ張る。

その度に首輪で首が締まり、息が詰まる。


「かはっ…やめっ…!」




「んー…やはりこれではしっくりきませんね…。決まりを改めましょう。」



ズルズルと私を無理矢理引きずり、離れにある彌生の部屋に辿り着いた。


やっとまともに息ができる…



「ひなた。その三は訂正です。私のことは彌生様と呼びなさい。


それと、敬語を使うこと。
良いですね?」



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