二 億 円
ガタンッッッ!!!!!
「い゙っ!?!?ぅあっ…あっ!!」
細い指は私に絡み付き、鋭い爪は白い肌に食い込まれ、そのまま手前に引かれる。
「あ゙ぁああ!!!!!痛い痛い痛い痛いっ!やめっ…お願い止めてぇ!!」
赤い螺旋が肌に刻まれる。何度も何度も繰り返され、次第に血が滲み出てくる。
「綺麗ですね。白い肌に浮かぶ赤い螺旋。私のモノである証…。嗚呼、もっと、もっと、証を残さなくては。そうすれば貴女は永遠に私だけのお人形ですよ、ひなた。」
ククク、と声を押し殺し笑い出す彌生様。その奇妙な姿に心臓が暴れ出す。逃げろ、ニゲロと、脳が忠告をしている。
「……そうです、良いことを思いつきました。」
今までにないほどの妖艶な笑みを浮かべる。
そして心臓は破裂するほど荒れ狂っていく。
「自分のモノには名前を書かなくては…無くしてしまったら大変ですものね。」
いや、いや、嫌
嫌だ、来ないで
「名前、書いてあげますからね?腕、背中、足、胸…さあ、どこが良いですか? ひ な た 。」
目の前のご主人様は
ポケットから覗く
鋭利な物体を握り締め、
ニコリ、と微笑みました。