二 億 円
「ご、ごごごごご拷問!!!?!!!?」
なんていう恐ろしいことを…
「なにその僕は何も知らないですうー、みたいな戸惑い方。腹立つわ。で?あの変態主人に何言われたのよ。」
変態主人って…こいつはどれだけ彌生兄さんを馬鹿にしているんだ。
「ただ、これを準備してくれって…手伝ってほしいから、って。」
そう。俺は兄さんの手伝いをしているだけ。それがどんな手伝いだとしても、俺は彌生兄さんの役に立てれば、それでいい。
そう、思うしかなかった。
「日向、あんたって本当に素直で純粋で…大馬鹿者だわ。」
呆れたように、でもどこか悔しそうな顔をして、刹那は何処かへ行ってしまった。
「なっ…なんだよっ!じゃあ、刹那は…刹那なら、どうするんだよ!!なんで…なんで何にも教えてくれないんだよ…。」
きっと刹那は気づいていたんだ。
彌生兄さんが何をしようとしているのか。
でも俺はわからなかった。
素直で純粋で大馬鹿者の
兄さんにとって都合の良い
お人形の俺にはわからなかったんだよ
ひなた。