二 億 円
高校に入り三カ月が過ぎた頃、私と雅樹は大親友になっていた。学校では毎日一緒に過ごし、放課後も、たまに遊んだりした。
「なあ、彌生。彼女とかいる?」
突然ふっかけられた質問。
「え、彼女?いないよ。別に必要無いし…雅樹はいるの?」
「いない。てか要らない。面倒だし。ま、欲求不満ってわけでもないしね。」
妖しく笑い、私を見る雅樹にゾクリ、と悪寒が走った。
「…どういう意味だよ、それ。」
今思えば、聞かない方が正解だったのかも知れない。
「いや、そのまんまの意味だよ。欲求は満たされてるってこと。まあ、欲を言えば…もっと興奮させるような「ちょっ、ちょっと待てよ雅樹。お前…もしかしてそれ目的の女がいるってこと?」」
「違う違う。そんな面倒なことしない。それに俺、同級生とか年上って興味無いし興奮しないんだよね。」
「年下が好みってやつ?」
軽い気持ちで聞いたのが間違いだったんだ。
「うん。それもうんと年下のやつ。何にも知らない無知な女の子…最高じゃない?犯しがいありまくり!!」
性癖ってやつかな、とケラケラ笑いながら言う雅樹は可笑しな男にしか見えなかった。
「…彌生も一回やってみる?すっごく興奮するよ?」