二 億 円
「お兄ちゃん…これ、何?」
目の前の異質な物は、決して私が喜ぶものではなかった。
「ひなたへのご褒美だよ?ほら、お湯に浸かってごらん?」
優しい笑顔のお兄ちゃんはそう言った。
ポ チ ャ ン 。
「絶対に出るなよ?」
突如歪んだ顔を見せ、お兄ちゃんは笑った。
悪魔のような顔で、私に地獄を味あわせた。
「――――――――!!!!!!」
襲い来る痛み。全身を駆け巡る電撃。
気を失いそうだった。
「あはっ…はははっ!!いいね…その表情。その反応。ゾクゾクするよ。」
お兄ちゃんがお湯につけたのはスタンガンだった。
「お兄ちゃ…死んじゃうっ…!!」
この出来事がなければ、もしかしたら私はお兄ちゃんを殺さないで済んだかもしれない。
「死んじゃう?安心して、ひなた。
死なせないよ。絶対に。
だって
お前は俺の奴隷なんだから。」