溺愛プリンス
「……ゴクゴク!」
ぷはぁ!
スポーツドリンクを一気に仰いで、そのついでに大きく息を吐き出した。
行けるだけ行こうとか意気込んでたわりに、結局すぐにのぼせてしまったあたしは自分の部屋に戻っていた。
上気した自分の顔が、ガラス窓越しに見える。
そこから視線を外して部屋の中を見ると、すでにテーブルの上にはたくさんの美味しそうな料理達が並んでいた。
よっこらせと、椅子から立ち上がってすぐに違和感に気付いた。
あれ?
違和感の原因は、料理の数だ。
あきらかに多い。
「あの……この料理ってこれで1人分ですか?」
だとすると、食べれる自信が……。
なんて思ってると、仲居さんはニコリと笑顔でこう言った。
「順次お運びしますね。これで、2人分です」
「そうなんですね……、ええ!?」
2人分!?
手違い!? それとも最初から2人分でとってたの!!?
「ど、どうしよう、あたし1人なんですけど!」
ガバリ!と身を乗り出してそう言うと今度は別の人が声が……。
「それは俺のだ」
「へ?」
……”俺の”?
き、聞き覚えあるような、ないような……。
ポカンとしていると、襖がスッとあいた。
そこに現れたのは……。