溺愛プリンス
*ROYALSTORY*
王子と届いたチケット
ハルと会えなくなって、一週間がたった。
会えないかわりに、電話はくる。
ショーンさんに持たされたハル専用のスマホで、相変わらずあたしの都合も関係なく呼び出されていた。
昨日の夜だって……。
―――♪~♪♪~……
真っ暗な部屋の中に響き渡る着信音。
その音に目を覚ますと、テーブルの上に置きっぱなしだったスマホが光っていた。
パッと目が覚めて、慌てて布団を抜け出した。
てぐしでパパッと直して、通話をタップする。
「も、もしもし!」
『……』
しばらくの沈黙のあと、ハルのおかしそうな笑い声が聞こえた。
『起こしたか?』
な、なんで笑われてるんだろう?
「あ、当たり前じゃないですか。何時だと思ってるんですか?」
ほんとは嬉しいくせに、あえて可愛げのないことを言ってしまう。
でも……。
『ミュートにしとけと言ったろ。 俺はメッセージだけを残しておく。わざわざ出なくてもいい』
「……」
それじゃ、意味ないです。
あたしは……ハルの声が聞きたい。そう思ってるんだもん。
会いたくてたまらない。
たった一週間なのに、変だって……笑われてもかまわない。
胸がギュッとなるような、切ないこの気持ちを持て余してる。
あたし、どうしちゃったの……?