溺愛プリンス
「だからここに呼んだんじゃない。
あたし達が、あなたをとびきりのプリンセスにしてみせる!
舞踏会であのバカ親父に一泡吹かせてやりましょう!ね、志穂っ」
「は、はい!」
え、親父に一泡……?
思わずコクリと頷いて、ハッとする。
「あの、ハルは? 知らせてなくても……会えるんですよね?」
「……それが、今は無理なの」
「え、どうしてですか?」
あたしの隣に腰を下ろしたベスをポカンと見つめる。
ここまで来てハルに会えない……?
ベスは長い足を組みながら大きくため息をついた。
「ハルは、お父様に軟禁されてるわ」
「……」
え、な、な……
軟禁っっ!!?