溺愛プリンス
王子とひとりぼっちのフルムーン
い、今の声って……ショーンさん!?
いつからそこに……。
サーッと血の気が引いていくのを感じて、動きを止めたハルをジッと見つめる。
真っ黒な髪が月明かりに照らされて、柔らかな風にふわりと揺れた。
前髪の奥の瑠璃色の瞳が、忌々しそうに細められた。
「…………。もう少し待て」
うんと声を押し殺して、すぐそこにいる誰かに声をかけたハル。
別に驚いた様子もない。
固まっているあたしに、唇を寄せる。
え、ちょ、ハル!?
そんなハルにも動揺してしまう。
目を見開いていると、それを制止するかのように窓際で声がした。
「続きは舞踏会が終わってからにしてくださいませ。
ひとまず広間へ。また軟禁されますよ」
つ、続き!!?