溺愛プリンス
途方にくれていると、ふと胸元のネックレスに目がいった。
ハルに貰ったネックレス……。
そっと手にとると、いくつも散りばめられた宝石がキラリと光った。
カギがモチーフのチャームを持ち上げて、マジマジと見つめる。
もしかして、このカギってこのおうちのモノだったりするのかな?
「……」
……って、まさかね。
本物のカギをアクセサリーにしちゃうなんて……。
それに、このうちのカギをあたしに渡したところで、なんの意味も持たないはずだ。
だけど……、ここでこうして待ってても仕方ない。
ダメ元でやってみよう。
ネックレスを外して、閉まったままの玄関ドアを向かいあう。
恐る恐るカギ穴にそれを差し込むと……。
あ……。