溺愛プリンス
ベッドからゆっくりと顔を上げて、窓から空を見上げた。
月があたしを見下ろしている。
「…………」
グイッと涙をぬぐって、唇を噛みしめて。
あたしは窓から夜空を見上げた。
…………お願い。
明日、もう一度ハルに逢わせて。
あたし、きっとハルのところまで行くから。
だから……夢ならさめないで。
もう少しだけ、あたしに魔法をかけて……。
「……ハル」
あたしは胸に光るネックレスをギュっと手の中に包み込んだ。
想いが届くように。
ハルを近くに感じられるように。
強く。
強く。