溺愛プリンス
王子と選ばれた恋
どこからか小鳥のさえずりがきこえる。
ゆっくりと瞼を持ち上げると、眩しいほどの朝陽が窓から差し込んでいた。
全然寝れなかった……。
フカフカのベッドから起き上がる。
朝靄がかかって、息を呑むほどキレイなファブリック家のお庭には目もくれず、クローゼットから服を取り出した。
ここへ連れて来られた時に着ていた服。
「……これしかないんだもん。仕方ないよね」
ジッと睨んでいたけど、自分に言い聞かせるように言って、部屋着をバサッと脱ぎ捨てた。
ベスは、決まって8時に起きる。
だから、まだきっと寝てるハズ……。
クロードさんは、太陽が昇れば起きるって言ってたから……。
あたしは迷わずに一階に降りてクロードさんの部屋を目指した。