溺愛プリンス
予感はあった。
もちろん、そうなりたいって……。
もっとハルの近くに行きたいって。
そう思ってはいたけど……!
髪を掻き上げられて、うなじに次々とキスを落とされる。
そのたびに背中に電流が走るのを感じて、たまらずに身をよじった。
「っ、あ、あの……あのハル、ちょっと待っ……」
「”待てはなし”だ。 前にそう言ったろ?」
髪をかきあげていた指先が頬に触れ、首筋を降りあたしの手首を捕まえた。
イジワルに、でも楽しそうに。
艶めいたハルの言葉が頭の中であたしを追い詰める。
「………ぁ、あたし……」
そのまま手首を引かれて、ハルと向き合う形になった。
ドクン
ドクン
ドクン
「王子としてじゃなく、俺はただの男として
……志穂を、愛したいんだ」
胸が震えた。
瑠璃色の瞳が、近くなる。
手首を掴む、その力が強くなる。
……キスの続きが、待ってる。