溺愛プリンス
緊張してドギマギしてるあたしの頬に、ハルの手が触れた。
優しく、まるで宝物に触れるみたいに。
「…………」
「俺の世界を変えてくれて、ありがとう。志穂が俺の元に走ってく来てくれて嬉しかったんだ
。 この道しかないって、そう諦めてた俺に変わる勇気をくれた」
そう言って、目を細めたハル。
零れたその笑顔が愛おしくて、思わず手を伸ばしていた。
「ハル……」
想いが溢れる。
ずっと、ずっと溢れてる。
無限大で、とどまる事を知らなくて。
あたし、こんな気持ちがあるなんて、知らなかった。
この人のためなら、なんでもできるって。
そう思えるんだよ?
それって、最強の力だよね?
「……ハル、あたしのこと……見つけてくれてありがとう。 好きになってくれてありがとう。 大好き」
ボロボロと涙が零れ落ちた瞬間、唇が塞がれた。
「志穂…………」
あたしの全部を奪っちゃうようなキス。
息をするのも惜しいほど、気持ちを求め合う。
ワガママで、俺様で。
でも、優しくて、あたしだけの王子様。
ふたりで世界を飛び越えよう。
きっと、あたしたちふたりなら、ずっとずっと、いつまでも。