溺愛プリンス
epilogue
――――バーーーーーン!!!!
「!!!!!」
空気を震わすほどの振動にガバリと飛び起きた。
じ、地震!?
何事かとシーツから頭だけ出して辺りを見渡すと、部屋の入り口にぼんやりと人の姿。
「ハロルド様!」
物凄い形相でそう叫んだのは、ショーンさんだ。
……ハル?
ハルがどこに…………はっ!
そこまで考えて、血の気が引いて行く。
寝ぼけていた思考回路がバチバチっと繋がって。
あたしは慌ててシーツに身を隠した。
きゃああああ!
あ、あたし、ふ、服着てな……!
「ん……志穂、なに暴れてんだ」
呼ばれた当の本人は気にする様子もなく、のそのそと起き上がる。
美しい胸板を惜しげもなく披露し、寝癖だらけの髪をくしゃりと持ち上げた。
「志穂?」
「………」
ハルはシーツをめくりあたしを覗き込もうとする。
や、やだ、やめてハル!
ショーンさんいるんだって!あたしは今気配を消してるんだからっ!
シーツに包まったまま押し黙っていると、そこでようやくハルは入り口のショーンさんに気付いたらしい。