溺愛プリンス


何が起きてるのか、頭が理解するまで時間がかかった。


瞬きも忘れてて……。





「感謝しろ。これで、なかったことにしてやる」


「……」



な、かったこと?

少しだけ出来た隙間から、そんな声がぼんやりと聞こえる。




「……にしても。目くらい閉じろ」

「え……」

「色気のない女だな、まったく」



イロケ……、色気!!?



「……なな、なにするんですかっ」



一気に現実に引き戻された。
勝手にキスしといて、色気ないってどういう事!?


文句を言おうとして、出来なかった。
うんん、させてもらえなかった。




< 43 / 317 >

この作品をシェア

pagetop