溺愛プリンス
そのまま、それを口づける。
うわわ
髪に…キ、キスされた!
ボボボって音が聞こえそうなくらい真っ赤になったあたしを見て、王子はスッと目を細める。
ガチガチに固まってしまったあたしの頬に、その手が触れて。
優しく撫でられたかと思うと、親指が唇をなぞる。
「……っ」
「言う事聞かないなら、」
王子は言葉を切ると、口の端をクイッと持ち上げた。
「嫌でも言わせてあげるけど?」
青色の瞳が、妖しく光る。
真っ黒な前髪が、それを一層引き立ててる気がした。
黙りこくってるあたしの耳の後ろに手が滑り込んで、また引き寄せられそうになる。
「ハ……ハル……」
こ、この人……危険。