溺愛プリンス
――――バタン!
助手席から降りてきたSPのひとりに、強引に車に乗せられてしまった。
後部座席。
ハルの隣に押し込まれて、茫然としていると車はさっさと走り出した。
はっ!
「あの!ほんとにあたし急いでて……今日これから」
「ぎゃあぎゃあ騒ぐな」
「なっ……」
真っ直ぐに前を向くハルは短くそう言うと、視線だけを落とした。
「送って行ってやる」
「はい?」
行くって、まさか……うちに!!!?