ご主人様とわたしの関係♥
仕事服であるメイド服を濡れた髪でぬらすわけにもいかず、タオルを巻いただけの格好でドライヤーを手にする


さすがに、ヘアアイロンはないかー…

まぁ、ヘアアイロンなんて普段から使わないからいいんだけどね


「というか、普通お風呂夜は居るから髪セットする人なんていないよね。アハハッ!」


誰もいない脱衣所に私の渇いた笑い声とドライヤーの音だけが響く


「全然乾いてないけど、服にはし見ない程度に乾いたしもう良いかな…もともと自然乾燥派だし」


水分をまだ多く含んだ髪を無視してバスタオル姿から下着姿へ、下着姿からメイド服へ


黙々と着替えを進め、ネックレスを少し苦戦気味につけて急いでマスターの部屋に向かう


「マスター、怒ってないかなー……」


コンコン…


「失礼します!!篠原です!!」


「ん、あ、入っていいぞー」


ガチャ…


「あれ、誰もいない…?」


「奥!!奥のドア!!」


――え、奥?


あ、だだっ広いマスターの部屋には奥にもうひとつドアがあった



「失礼しまーす…」


………あ


マスターは前髪を黒く細いカチューシャで上げ、黒縁めがねをかけてノートパソコンと書類、この2つと交互に睨めっこしていた


「あの、なにかお手伝いすることなどございますでしょうか?」


「あぁ…じゃぁ、コーヒー入れてくれる?」


カタカタと何かを書類を見ながらブラインドタッチで打ち込みつつ私の問いに返事する姿はまさに出来る男。


「あのコーヒーメーカーはどこに?」


「あっち」

と、顎をくいっと前へ突き出すマスター


そんな姿でさえ様になるのだからイケメンはすごい
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