オレンジ
知早は、あたしの腕をつかみ、切なそうにあたしを見た
そんなこと言われても…今は、水分をとらなきゃ!死んじゃうよ
それからあたしは、知早に薬を飲ませ、お母さんに電話をかけた
薬を飲んで、大分楽になったのか、知早は、静かに眠ってる
あの時、誰とあたしを間違えたのか…
ただ言えるのは
…あたしでごめん
今、そばにいられるのがコノじゃなくて、あたしで…ごめんね
確かにあの時、知早が誰を呼んでいたのか分かった
今も、あたしの腕をつかんで離さない知早
あたしでごめんね…だって、コノはもう、先生のものだもん…
どうしょうも出来ないよ…
あたしには今、知早のそばにいることしか出来ない
…あたしは太陽が昇ってきてるのにも気付かずに、ずっと知早のそばにいた