オレンジ
「お前は、゛のり゛って言葉しか聞こえなかったのか?」
「そうだけど…なんで?」
「い、いや、別に何もねぇよ…」
「ふーん?」
疑ってるよ、こいつ…
「なんだよ」
「別にー?」
そう言って、俺から視線をそらした
何か言いたそうだけど、まぁ、いいや
でも、良かった
こいつにはばれてねぇみたいだ
…危ねぇ
「ねぇ!お腹空かない?」
「…確かに、空いたな。つか、今何時…って、9時!?学校!」
慌てて立ち上がろうとすると、グラッと目の前が歪んだ
やべっ!倒れる!
そう思い目を閉じたけれど、思ってたより衝撃がこなくて目を開けると
「もう、病人なんだからおとなしく…」
目の前には、俺の下敷きになった、美乃里の顔があった
「ちょっ!早く退きなさいよ!」
一生懸命俺を押す美乃里…
でもそれは、俺にとっては弱い力で