オレンジ
「乃空!大変なの!」
勢い良く教室に飛び込み、いるはずの親友にむかって声を上げた
「ど、どうしたの?」
少し引いている乃空を気にせずに続きを話す
「どうしよう…ドキドキいってる…一目惚れしたかも!」
「えっ、一目惚れ?朝から何があったの?遅刻してきたし」
そう、あのあとその人と別れてからドキドキとなる胸を押さえ、去っていく背中を見ていた
その場をすぐには動くことができず、気付けば1時間が始まる時間になっていた
「どうしよう…」
一目惚れなんて、初めての経験で
このドキドキをどうすればいいのか分からない
「これでやっと、前に進めるんだね。遥希」
そう嬉しそうに笑った乃空