オレンジ



太陽さんは笑顔で軽く会釈をして去っていった



あたしは学生手帳を握りしめ太陽さんの背中から目を離せなかった



「良かったじゃん!!」



バシバシと背中を叩く乃空は凄く笑っていて、あたしも自然と笑顔になった


あたし、太陽さんに本気で恋しちゃったみたい



「でも、あの人どこかで見たことある…」



乃空は首をかしげながらそう呟いた



「え?どこで?」



うーん…と悩む乃空の横顔に問い掛けた


でも、悩むことに集中してるみたいで返事がない


そうして悩み続けて数分がたったとき、乃空は顔をあげてあたしをみた



「…分からないから、思い出したらその時に言うね」


「う、うん…わかった」



結局思い出せなかったみたい…


まあ、似てる人は結構いるから、人違いかもしれないけれど、乃空が思い出すまで待ってみようって思った



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