オレンジ
まさか襲われているのがあの子だなんて思いもしなかった
だからなのか分からないけれど、思わず大声出してしまった
そんなこの子に大丈夫かなんて聞いても大丈夫なわけないよな
「何かされたか?」
そう聞くと、首を振り「服を破られてただけ」と呟いた
「そうか。頑張ったな。泣いてもいいんだぞ?」
と言い頭を撫でると、一瞬ビクッと震えて、すぐに泣き出した
当たり前だ…こんなことされて怖くないわけがない
今は、泣けるだけ泣いたらいい
もうすぐ警察もくるだろう
俺は、倒れている男の元へ行き、一発殴ってあの子のもとに戻った
これぐらいいいよな?
本当だったら、この子の痛み以上に殴りたい気分だけれど、流石に警察にはつかまりたくはない
目の前で泣き続けているけれど、俺には抱き締めることは出来ない