オレンジ
「少し前進だね!…よしっ!生徒手帳見ようか…」
気合いを入れた乃空に返事をして、生徒手帳を鞄から出した
「これは、遥希が開けなきゃ!はい」
「う、うん…開けるよ?」
「うん」
恐る恐る、生徒手帳を開くと、そこには…
「え、あれ?これあたしのじゃない」
「それ、遥希じゃないわたしでもわかるよ…どうみても男の人だもん」
あたしのだと思っていた生徒手帳は、あたしじゃない人の写真で
それは、どうみても男の人で…
制服を着てるこの人は、どこかで見たことがある
「え?これって、太陽さんじゃない?」
と、乃空が口にしたことで、思い出した
「ほんと、だ」
それは、確かに太陽さんの生徒手帳だ