オレンジ



『まぁまぁー、そう落ち込むなって。俺の推理によると、遥希ちゃんの声が聞こえてくるって!』



声からしてにやにや笑いながら言ってることが電話越しでもわかる


なんて、ばかなことを言ってるんだこいつは



「そんなわけ…「た、太陽さん!」


『ほらな!聞こえただろ?』



笑真の言葉を聞きながら、後ろを振り返った



「た…本川さん!」



そこには、こっちに一生懸命走ってくる遥希の姿があった



「な、なんでっ」



電話をしていたことも忘れ、走ってくる遥希の姿をただただ見つめていた…



「や、やっと、見つけたっ!」



息を切らしながら、言葉を吐き、目の前にきた遥希は、少し息を整えて俺に問い掛けた



「これに、書いてあるのって、本当ですか?」



い、いきなりかよっ…



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