オレンジ
いまだに通話中だった電話を切ろうとしたとき
「…つい、嬉しくて…」
「…え?」
俺は動きを止め、目の前にいる遥希を見た
え?今の聞き間違い?
涙が止まらないのか制服の裾で涙を拭っている遥希に
声をかけようと口を開きかけたのと同時に遥希が顔を上げた
ドキッ…
顔を上げた遥希は少し上目遣いで俺をみた
って、ときめいてる場合じゃない…
「…つい、嬉しくて…」
「え?」
また、その言葉?
「…あたしも…あなたが好きだからっ…嬉しくて…っごめんなさい!」
…え?
「……」
目の前で起きてることに頭がついていかず、放心状態の俺
「…今…なんて…?」
そう、遥希に聞き返した