オレンジ



少し戸惑ったような顔をして、でも、真っ直ぐ俺を見て


「…好きなんです…私も、あなたが好きです」



涙が今にも溢れてきそうなのに、笑ってそういう遥希


その瞬間、言葉よりも体が先に動いていた


携帯が手から滑り落ち、地面に落ちる音がする


でも、今はそんなのどうでもいい


ただ、君を抱き締めたいって思ったんだ…



「…たっ、本川さん?「違う、冬夜」



そういって更にギュッと抱き締める


すると、遥希も背中に腕を回してきて、ギュッとされた


それが幸せすぎて、ずっと離れたくないって思ったんだけど…



「おい。ここをどこだと思ってんだ」



どこかで聞いたことのある声が聞こえて、渋々離れて後ろを振り替える



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