オレンジ


Side佳奈



「…私の恋愛っておかしいでしょ?」



そう言って困ったように笑う由希音は、今にも崩れてしまいそうな感じがして、ギュッと抱きしめた



「…全部、私が悪いの…私が別れようって言わなかったら…私が、会おうと努力してれば、今はまだ付き合ってたかもしれない…」



弱々しく言った由希音をさらにギュッと抱きしめ



「由希音だけが悪いんじゃない…忙しさを理由に会おうとしなかった2人が悪い」



あたしから出た言葉は、優しく慰める言葉じゃなかった


由希音が悪いんじゃない…その言葉が言えなかった


というか、違う気がしたんだ



「由希音?あんたはもっとわがままを言ってよかったと思うよ?…本当は会いたかったんでしょ?」



由希音は、ゆっくり頷いた



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