オレンジ
そっと目を閉じると、手の中で携帯が震えた
見ると、翔平、の名前…
「…もしもし」
『あー…もしもし?電話、どうした?』
なんて、いつもどうりの声でいう
「今、何してんの?電車の音聞こえるけど…」
翔平からの電話には、翔平の声とともにたくさんの音が聞こえてた
「あー…今、コンビニに向かってる」
外かよ、そんなに部屋では話せないの?ばか
「…ふーん、まぁいいや。」
「まぁいいやって、おい。…はぁ、んで要件は?」
めんどくさいなら電話してくんな、ばか
だんだんと泣きたくなってくるのと同時にイライラも感じていた
でもこれはあたしのため…
前に進むためにはしょうがないこと…
「…あたし、まだ翔平のこと好きだったよ」
「…」
返事が無い…
そりゃそーか。そうだよね…