オレンジ



「…い……ぉい………おい!」



その声で目の前でふられてる手と怒った顔をした宏に気づいた



「あー…ごめん」



「また、あの子のこと考えてたのか?いい加減にしろよ!ったく!」



と、ぶつぶつ言いながらビールを飲む宏に申し訳なく感じて


「ごめん」


と、もう1度謝った


¨あの子¨


約1年前に別れた、元カノのことをまだ、忘れられていない俺がいる



「まぁ、あんだけ長いこと想ってたから、気持ちはわからなくもないけどさー


早く忘れたほうがいいんじゃねーの?」



「わかってるって」



そんなの、俺が1番わかってる


このまま想ってても報われないことくらい



でも、そう簡単には忘れられないのが恋愛ってもんで


何年も想ってたから尚更忘れられそうになくて…



宏と飲みにいくときは何度も思い出しては、宏の話を聞いてないことがあった

そして、いつも怒られている


いい加減、本当に諦めないとなー…


とか言いながら、多分次もこんな風に怒られてるんだろう



…俺って女々しいな


まぁ、今に始まったことじゃないけどな…



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