オレンジ
├Side碼凪斗
「魁!見て!すごいキレイだよ!」
その声で俺は小秋たちの方を見た
「うわ!すげぇ…なぁ?碼凪斗」
なんで…
俺の目に入ったのは夕日ではなく…
「碼凪斗?」
「えっ?あ、あぁ…すげぇな」
夕日ではなく…
「え?小秋ちゃん?どうしたの?」
「あ、ごめんね…キレイ過ぎて涙出てきちゃったよ」
涙を流す小秋だった
「行きよりも、帰りの方が楽しくね?」
「そうだな…」
魁の言葉なんか耳にはいってこなくて
ただただ、涙を流す小秋だけで頭がいっぱいになった
なんで泣いてるんだよ…
小秋の横顔が切なくて、胸が締め付けられた
「なぁ?魁」
「ん?」
「もし…もしも、好きな奴がいて、でも、自分には彼女がいて…彼女のことは好きでもなんでもないのに付き合っていて…」
「うん」
「でも、その彼女とは別れられない理由があって…もし、そんなことがあったら、お前ならどうする?」