オレンジ

├再会




「…い…おい!」



その声にはっ!となって、声の主を恐る恐る見ると


もう、怒りを通り越して呆れてる宏が目に入った



「はい、今日2回目ー!瞬の奢り決定ー」



なんて、1人でジョッキを上げてイェーイなんて言ってる宏をみて、悪いことしたなと思い




「はいはい、奢りますよ」



と、値段を確認しようと伝票に手を伸ばそうとしたとき



「…なぁ?お前を紹介してほしいっていうやつがいるんだけど、今度連れてきていいか?」



なんて、真剣に言う宏がいた


…恋を忘れるには、新しい恋をしろってことか?



「いいけど、俺は多分、あの子以外は好きになれないのかもしれないぞ?」


「そういうの関係なく、ただ会うだけでいいから、話してみてよ」



…会うだけでもいいから、か



「わかった」



こういうことが出来るようになった俺は


…やっと、前に進めてきているのかもしれない



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