オレンジ



着替えてから戻ると由希音は、女子と話してて、ほっとしてる俺がいた



「よっしゃー!遊ぶぞー!」



という宏の声でみんなが海へ入っていった


俺もその中の一人で、みんなとはしゃいでいると、ふと由希音が目に入った


由希音は、海へ入ってはいないけど海ではしゃぐ俺らを見て楽しそうにしていた


由希音と話すなら今がチャンスなのか?



「ごめん!ちょっとお茶飲んでくるわ!」



そう、宏たちに言って由希音のもとに走った



「はぁー疲れたー!」



なんて言って由希音の横に座る


疲れたって…もっと他に言葉なかったのかよ…俺


そんな俺を笑顔で「おつかれ」と言って迎えてくれる由希音に心がキュンとした



「由希音は泳がなくていいの?」


「うん…泳げないし…でも、笑顔のみんなが見れるし、見てるだけでも楽しいから」



と、海を眺め微笑みながら言った



でも、泳げないなら



「海に行くって分かってたから、無理して来なくてもよかったのに…」



そういってはっとした


俺、なんてこといってんだ


まるで来なくても…会えなくてもいいみたいな言い方をしてしまった


慌てて由希音を見ると、切なそうに微笑んで海を眺めていた


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