オレンジ




去っていく由希音の後ろ姿をじっと見ていると



「ねぇ、瞬」



という李花の声に後ろを振り替えると、俺を見てる宏と李花と目があった



2人は悲しそうな、怒っているような変な顔をしていた



「なんだよ…」



その問いかけに李花は、悲しそうに言った



「そんな顔をするなら、なんで伝えないの?追いかけないの?」



そんな顔?…俺いまどんな顔してんだ?



…窓に映っていた俺の顔は、情けない顔をしていた



「好きなんでしょ?今も、だったら追いかけなよ!もう会えないかもしれないんだよ?」



そんなこと言ったって、



「俺の気持ちは、そう簡単に伝えていいもんじゃねぇんだよ」



両思いの2人を邪魔するようなことはできない…



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