オレンジ
「だからっ「だからなんだって言うの!自分の思いを押し殺してまで守るべきなの?瞬が伝えて壊れるものだったら、そんなの本気じゃない!」」
こんなに怒った李花を見るのは久しぶりで李花の言葉の一つ一つが胸に響いた…
「よく言うでしょ?伝えないで後悔するより、伝えて後悔するほうがいいって…瞬、追いかけなよ!」
言葉よりも体が先に動いていた
気づいたら既に走り出していたんだ…
由希音が誰を好きでもいい
ただ、俺の気持ちを聞いて欲しい
どんな結果でも、聞いてくれるならそれで十分
だから、間に合ってくれ…!
由希音…!
その時、横断歩道の先に由希音の後ろ姿を見つけた
信号は、赤でどうしても渡れない
こんなときに限って信号は変わらない
「くそっ!由希音っ!…由希音ーっ!」
これが最後だから、届けっ!