オレンジ
もう一度聞こえた声に聞き間違いではないことに気づいた
どうして?
どうして追いかけてきたの…
「由希音!そのままでいいから聞いて!」
私は振り返ることもできず、ただ瞬くんの言葉を聞いた
「由希音からフラれたあの日、とても悲しかった…でも、それと同時にあぁ、やっぱりって思ってた俺もいて別れたほうがいいと思った俺もいたんだ…」
…分かってたけど、やっぱり直接聞くとつらいな
止まらない涙を拭うこともせず、ただ言葉ひとつひとつを聞き逃さないよう耳をすませた
「…でも、由希音からのメールがこないのは付き合ってたときから同じだったのに、どこか寂しくて
俺からも気安く送れないんだと思うと、別れたことを実感して…別れて1ヶ月たったときにこんなにも好きだったんだって身をもって知ったんだ」
私だって、そうだった…
あなたからのメールがこなくなって気づくなんて、こんなにも好きだったんだって身をもって知った
だから今も忘れられなくて、ずるずると引きずってしまった
でも、あなたは違うんでしょ?
もう前に進んでる…