オレンジ



「…うん…知ってたよ」


「え?」


「わたし、知ってた…碼凪斗の心がわたしに向いてないこと。でも、気付かないふりをした…わたしが碼凪斗から離れたくなかったから」



俺は、顔を上げて遥希を見た


遥希は空を見ながら、話した



「…それに、病気だなんて嘘だよ。碼凪斗が離れていかないようについた嘘」



「は?」



「怒るよね…嘘だったんだから…」



遥希はうつむいて、話さなくなった



こいつは、俺を繋ぎ止めておこうと必死だったんだ…



「そっか…ごめんな?早く俺が言ってれば良かったな」


「え…」


「ごめん…嘘つかせて」



遥希に向かって頭を下げた


俺が、もっと早く伝えていればこんなことにならなかったはずだ




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