オレンジ
「あたしもっ、好き」
「えっ?」
そう言うと、バッとあたしから離れて驚いた顔であたしを見た
「好き」
だから、もう一度伝えたんだ
そしたら、さっきよりも強く抱き締められた
あたしも強く抱き締めかえして
「もう、はなさねぇから」
そう耳元で呟かれて、ドキッとしたけれど
「うん、あたしも!」
離さないし、離れないよ
2人 、笑いあって
今度は、マスクごしじゃない
…キスをしたんだ
その時二人を包んだのは
キラキラ輝く、夕日のオレンジ色だった…
〈END〉