オレンジ

├Side先輩




「立岬〈たざき〉先輩!」


卒業式も終わり校舎を後にしようと一歩踏み出すのと同時に呼ばれた名前…


俺は振り返り声の主を見た



「那佳宮〈なかみや〉…」



そこに居たのは、俺が入っていたバスケ部のマネージャーだった


那佳宮は1つ年下で、マネージャーの中でも俺と一番話していた奴だ



「先輩…っ!わたし、ずっと前から先輩のことがっ好きです!」


「えっ…」



涙を堪えながら言った那佳宮…


全然気付かなかった


那佳宮とはあんなに仲良く話していたけれど、好きだなんて素振りを全くしなかった



「…それだけです!っ聞いて下さってありがとうございました!」



涙で濡れた笑顔を見せて走り去っていった



は?嘘だろ?



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