オレンジ
「なんだよ…」
困ったように笑う先輩を見て、笑い過ぎたと反省した
「わたし、入ります」
「え?」
「マネージャーになります」
「ほんと!?」
「はい」
「じゃあ、今日部活に来て!俺、体育館の前で待ってるから」
「はい!」
こうして、あたしはバスケ部のマネージャーになった
先輩と話していて、いつの間にか、涙が止まっていた…
この日から、部活中や部活が終わった後、学校の廊下で会ったときによく話すようになった
そのたびに笑顔になれたんだ
先輩はわたしのことを那佳宮と呼び捨てで呼ぶようになった
わたしはやっぱり、立岬先輩だけど…
そしてわたしは、いつも見せてくれる笑顔、部活中の先輩の姿を見ていくうちに、先輩のことを好きになっていたんだ…