オレンジ



「なんだよ…」



困ったように笑う先輩を見て、笑い過ぎたと反省した



「わたし、入ります」


「え?」


「マネージャーになります」


「ほんと!?」


「はい」


「じゃあ、今日部活に来て!俺、体育館の前で待ってるから」


「はい!」



こうして、あたしはバスケ部のマネージャーになった


先輩と話していて、いつの間にか、涙が止まっていた…





この日から、部活中や部活が終わった後、学校の廊下で会ったときによく話すようになった


そのたびに笑顔になれたんだ


先輩はわたしのことを那佳宮と呼び捨てで呼ぶようになった


わたしはやっぱり、立岬先輩だけど…



そしてわたしは、いつも見せてくれる笑顔、部活中の先輩の姿を見ていくうちに、先輩のことを好きになっていたんだ…



< 36 / 225 >

この作品をシェア

pagetop