オレンジ



あの日…

6時間目が始まる直前

俺はいつものように、寝ようと空き教室に向かった


でも、来てみたら何故か人がいる気配がしていたんだ


窓が開いていたから、そこから中を覗くと1人の女子がいた



何故か、顔を見たくて、先生の真似をした


顔を上げたその子を見て、心臓が止まるかと思った


だって、泣いていたから



俺は教室に入り、その子の隣に座った



「那佳宮さんは部活何か入ってる?」


「入ってません」


「じゃあ、マネージャーになってくれない?俺、今バスケ部に入ってるんだけど、マネージャーがいなくて困ってるんだ」



気付けばそんなことを言っていた


何でだろう…



「あははっ!」


「え?」



いきなり笑いだした、那佳宮さんにびっくりして、見ていると


あまりにも楽しそうに笑うから、何も言えなかった




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