オレンジ




――――――――………



『たいちゃん!何処いくの?』


『ごめんな…遠いところに行かなくちゃいけなくなったんだ』


『遠いところって何処?会いに来れないの?』


『うん…ごめんな』



たいちゃんは悲しそうに笑った


でも、手はあたしの頭の上にあって


名残惜しそうに、あたしの頭を撫でていた



『向日葵』


『ん?何?』



『約束しよっか』


『約束?』


『うん。約束』



そう言って、たいちゃんはにこっと笑った



『10年後…向日葵が18歳になったら迎えにくる』


『ほんとに!?』


『ほんとに。それまで、花の向日葵みたいに太陽を追い掛けててな』


『追い掛ける?』


『そう、10年後戻ってくるから、ずっと俺のこと好きでいてくれよな』



『うん!ずっと好きでいるよ!』






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