オレンジ

「それは…」


「…ん？」



それからしばらく何も話さなくなった蒼良


妙な沈黙が２人を包む


俺は蒼良を見つめながら、話し出すのを待った



この沈黙が辛いんだけどなぁ…


俯いている蒼良を見ながら、内心焦っていた


沈黙が続いていくにつれて、心臓の脈も早くなっていくのがわかる


この状況はヤバいな…



「…い、言えないのか？」



沈黙に耐えきれなくなって聞いた


あのままだと、心臓が持たない…ような気がする



そう聞いた俺に目を向けることもなく、蒼良はただ首を横にふるだけだった


…そんなに言いたくないことなのか？



「…言いたくないのなら、無理に言わなくてもいいから」



言いたくないのに、無理矢理言わせるのは、蒼良が嫌な気持ちになると思うから


そんなことはしたくない