オレンジ
そう思い、俺は今日しようと思っていたプリントを取ろうと手を伸ばした
「…から」
「え?何か言ったか?」
蒼良が何か言ったけれど、聞き取れずプリントを手にとりながら聞き返した
すると、蒼良はバッ!と顔を上げて俺を真っ直ぐ見て言った
「だから!…っあたし、先生が好きなんです!」
「………は?」
突然のことに、頭が追い付かず、思わず聞き返してしまった
今、何て言った…?
驚いて、蒼良を見ると、蒼良は真剣に俺を見ていた
「…先生のことが好きなんです」
そう言った蒼良の目には、涙が溜まっていた
これは嘘…じゃないな…
このまま目を合わせていることが出来ず、俺は蒼良から目をそらした
まずいな…
蒼良が俺のこと好きだなんて思ってもいなかった
でも、真剣に言ってくれたんだ
俺も真剣に返事をしなきゃいけない
そう思い、真っ直ぐに蒼良の目を見た