オレンジ
その目は真剣で、あたしは目がはなせなかった
「嘘ついてどうするんだよ…俺は本気で言ってるんだ」
その言葉に涙腺が壊れたかのように涙が溢れだした
「嘘つきぃ…」
「だから、嘘じゃないって」
「教師のくせにぃ…」
「それは…そうだけど…」
泣きながら言った言葉に、困ったのか腕を掴んだまま俯いた先生
ちょっと言い過ぎた?
そう思ったら、涙が止まって、謝ろうと先生に近づいた
「きゃっ!」
その瞬間腕を引っ張られ、気付いた時には立たされ、先生の腕の中にいた
いつの間にか先生は立っていたみたいで、先生の大きさを身を持って感じた
そして、先生は静かに話し始めた
「俺は教師だ…それから、お前は生徒だ」
そんなこと分かってるよ…
だから、親友のひまわりにも黙っていたのに
「…でも…それでも俺はお前が好きだ」