オレンジ
それから時間が経って、現代文の時間…
ん?何これ
開いてすぐ気付いたのは、間に挟まっていた一枚の紙切れ
なんだろ…?
その紙切れには、“永本へ”って書いてあって…
え?あたしに?
河戸くんを見ると真剣に授業を受けていて、聞くことが出来ない
め、珍しい…
とりあえず、開いてみることにした
『ずっと前から好きでした』
たった1行そう書いてあった
名前が書いてないか探してみると、裏に書いてあった
…河戸昌って
「えっ?」
あたしはもう一度河戸くんを見た
河戸くんはこっちを見ていて、微笑んでいた
「…っえー?」
授業中にもかかわらず、叫んでしまったあたし
「なんだ。どうした永本」
なんて、先生から言われて我にかえった
「い、いえ…なにも」